腹水の原因
肝臓がんによって肝機能が低下すると、血管内の水分やリンパ管からリンパ液が漏れ出します。これが腹水です。すでに肝機能の低下が見られる状態にまで進行してしまっているということなのです。
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腹水による痛み
肝臓がんによって腹水や胸水といった症状が現われると、痛みを引き起こすことがあります。そのため、痛みを軽減させるために鎮痛剤を用いる場合があり、軽度の痛みの場合には非オピオイド系の鎮痛薬が使われ、それでは十分に効かない場合には神経を麻痺させるオピオイド系の薬剤を使います。
腹水の貯留によって起こされる症状としては、お腹の張り、腹部の不快感、便秘、下痢、食欲低下、手足や顔のほてりなどがあります。
肝細胞がんと肝炎ウイルス
肝臓がんの大部分は肝細胞がんですが、この肝細胞がんの原因として肝炎ウイルスがあります。このうちでも、肝細胞がんの原因となるのはB型とC型の2種類です。これらの肝炎ウイルスに感染すると発症の危険性が高まることになります。ただし、肝炎ウイルスになっても必ず発症するのではなく、あくまでもリスクが高まるだけです。
肝炎ウイルスに感染している場合には、肝炎を発症しているかどうかを血液検査によって明らかにすることになります。ただし、たとえ肝炎になっていないとしても、肝臓がんの発症のリスクは高く、大量のアルコールを飲むことにより、ますます危険が大きくなります。
肝炎ウイルスに感染している方で、肝機能に問題がない場合には、1年に1度の感覚で検査を受けておくとよいでしょう。感染がない方は発症のリスクはとても低くなります。検査の方法としては、超音波検査やCT検査、腹部血管造影検査などの画像診断、腫瘍マーカーを使った血液検査、顕微鏡で癌細胞の有無を確認する生検があります。
肝臓がんの治療
肝切除、肝動脈塞栓術、経皮的エタノール注入療法が中心ですが、他にもマイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法、抗がん剤、放射線治療があります。
肝切除では手術によって病巣を切除します。肝動脈塞栓術は血管を塞ぐことによって、酸素の供給を止め、癌細胞の死滅を図ります。経皮的エタノール注入療法では、純アルコールを注射することによって、癌組織を攻撃します。マイクロ波凝固療法は、マイクロ波を照射することによって、病巣の代謝障害を引き起こす治療法です。ラジオ波焼灼療法てゃ、病巣に刺した針から発せられる熱を利用して焼いてしまう方法です。抗がん剤や放射線治療の効果は残念ながら限定的です。
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